似たような意味で使われる言葉に「明かす」と「明らかにする」があります。
このふたつはどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「明かす」と「明らかにする」の違いについて解説します。
「明かす」とは?
「明かす」とは。
「隠されていたことを表に出して知らせること」を意味する言葉です。
「明かす」の使い方
秘密や機密、謎や裏事情など「真実が知られていない物事の本当のところをはっきりさせること」を「明かす」と表現します。
「明かす」という表現は基本的に行為の主体となるものが知っている事実やつかんだ秘密などを積極的に知らせる場合に用いられる表現です。
秘密や機密について詳しく知っている、もしくは自分が隠していることで秘密や謎になっている事実を自らの意志で公開する行為が「明かす」です。
本当は隠しておきたかったのに秘密が漏れてしまったり第三者に真実を暴かれてしまったりするような本人の意志に基づかない真実の好評については「明かす」という表現を用いません。
「明かす」には「本当のことを知らせる」という意味から転じた「証明する」という意味もあります。
自分がどこの誰であるのかを客観的に証明したり無実であることを論理的に説明したりする行為が証明するという意味の「明かす」に該当します。
「明らかにする」とは?
「明らかにする」とは、「隠されていたことを第三者が調べ解明すること」を意味する言葉です。
「明らかにする」の使い方
秘密や謎など真実がわかっていない物事に対して「調査したり推察したりして真実に至る行為」を「明らかにする」と表現します。
基本的は自分が抱えている以外の秘密や真相について直接知っていない謎などに対して使われる表現であり「ある程度の苦労や努力を伴って真相を突き止め公開すること」が「明らかにする」の表す意味合いです。
第三者としての立場にあるものや直接的な関わりのないものなど対象となる物事に対してある程度の距離がある立場から真相を調査し解明する行為が「明らかにする」であり最初から自分が知っていた事実や積極的に隠そうとしていた自分自身に関する秘密に対してはあまり使われません。
「明かす」と「明らかにする」の違い
「明かす」と「明らかにする」の違いは「自分が知っているか」です。
「明かす」という表現は自分が真相を知っている秘密や本当のことを知っている謎など自分の意志で隠していた物事の方針を転換して表に出すことを表しています。
「明らかにする」という表現は自分が真相を知らない秘密や謎について調査や研究を通じて真実を追求し詳しい情報を公開することを表します。
どちらも隠された秘密を明らかにすることを意味しますが自分がすでに知っていることを自分の意志で知らせるのが「明かす」、自分の知らないことを客観的な行動を通じて真実を突き止める行為が「明きらかにする」です。
最初から知っているのが「明かす」、直接的に走っていないのが「明らかにする」という違いで区別されます。
「明かす」の例文
・『手品のタネを明かす』
・『警備員に対して身分を明かす』
「明らかにする」の例文
・『学術研究でピラミッドの謎を明らかにする』
・『調査で集めた詳しい情報を明らかにする』
まとめ
「明かす」と「明らかにする」はとてもよく似た言葉で意味が重複している部分もありますが厳密には異なる意味を持ちます。
どのような形で情報を知らせたのかによってもふさわしい表現が変わります。
使い場合は文脈や意味合いをよく考えてふさわしい表現を選んでください。