「考慮」と「配慮」と「思慮」の違いとは?分かりやすく解釈

「考慮」と「配慮」と「思慮」の違い言葉の違い【3語】

我々の営む社会生活においては思いをめぐらすということが重要です。

今回はこの思いを巡らす『慮』を使った代表的な言葉3つについてご紹介いたします。

この記事では「考慮」「配慮」「思慮」の違いを分かりやすく説明していきます。

「考慮」とは

これは『ある物事などについて、それと関連する内外の様々な条件や要素を合わせて深く考えること』を表している言葉です。

何かの判断や決定を下すときには通常の考えだけではなく、ありとあらゆる要素を集めて自分の考えを深化させる必要があります。

簡単に言ってしまえば『よく考えること』が『考慮』です。

例えば仕事などで上司や先輩が明らかに間違えた発言をしていても相手の立場や今後の関係などを考えた上で、反論を柔らかく表現したり、場合によってはそのままにするということはよくあるのではないでしょうか。

この場合に『相手の立場を考慮する』という表現を使うことができます。


‐「考慮」の例文

・『今回は応募者の年齢は一切考慮しない』
・『ビジネスにおいては相手が何を求めているかを何よりも考慮すべきである』


「配慮」とは

これは『よく考えたうえで心配りやあれこれ気を使って抜かりがないようにすること』という意味を持っている言葉です。

簡単にしてしまうと『気配り』や『心配り』ともいえるのが『配慮』です。

食事を例にすると分かりやすいです。

食事の目的は空腹を満たすことです。

これだけを聞くとなんでも間でも食べてしまえばいいと思いますが、実際はそうではなく、健康や栄養のバランスを考えた上で調味料の量や味付け、品目などを変えます。

これを『健康に配慮して食事をとる』という表現がされているのを病院や健康を取り扱ったテレビ番組などでご覧になった方も多いのではないでしょうか。

「配慮」の例文

・『障害者の方への配慮がとても行き届いている造りの建物』
・『政府は大企業にばかりを優遇する景気対策ではなく、中小企業に対しての十分な配慮が必要である』

「思慮」とは

これは『深く心を働かせて注意深く考えること』です。

ポイントは『注意深く』という部分にあり、どちらかというとしっかりと考えて慎重なことを表している言葉になります。

例えば時と場所をわきまえず、考えもなしに発言するとそれを聞いた人間から失望されたり、場合によっては注意をされたりすることもあります。

これを防ぐ為に慎重に『思慮』を働かせて言葉を選ぶ必要があります。

「思慮」の例文

・『高橋さんの発言は思慮が浅いものであり、会議出席者を落胆させた』
・『思慮を欠いた言動は慎む必要がある』

「考慮」と「配慮」と「思慮」の違い

それぞれ『よく考えること』、『気配りや心配りをすること』、『慎重なこと』という違いをつけることができます。

『考慮』と『思慮』の概念が非常に似ていますが、もう一つの分け方として『考慮』は動詞の働きをすることがもっぱらであり、『思慮』はこの後に『浅い』や『深い』という言葉を付けて形容詞としての働きをさせることが多いのもポイントです。

まとめ

如何でしたでしょうか。

考えや思いをめぐらすという内容でもとても微妙なニュアンスの違いがある言葉が用意されていることにお気づきになったと思います。

『慮』を使った言葉には『知慮』、『苦慮』、『短慮』、『憂慮』などまだまだ多く存在していますので是非違いを比べてみてください。