同じ読み方で間違われやすい「犬」と「狗」と「戌」にも明確な意味の違いがあります。
この記事では、「犬」と「狗」と「戌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「犬」とは?
「犬」は、「いぬ」という読み方以外に「ケン」とも読みます。
食肉目イヌ科の哺乳類を指し、人間が飼っている「いぬ」全般が「犬」となります。
「犬」は古くから家畜化されており、人間の生活において関わり深い動物です。
種類や大きさなどに関係なく「犬」という漢字で表すことができます。
「犬」の言葉の使い方
「犬」の言葉の使い方は、犬の種類などを示すものが多くなります。
「野犬」や「盲導犬」、「猟犬」、「警察犬」、「軍用犬」、「競争犬」、「飼い犬」、「秋田犬」、「柴犬」、「愛犬」などです。
また、「犬」を用いた言葉には、「負け犬」といった言葉もあり、意味は、敗残者の例えとなります。
「狗」とは?
「狗」は、「いぬ」という読み方以外に「ク」や「コウ」とも読みます。
この「狗」も、食肉目イヌ科の哺乳類を指す言葉ですが、この「狗」の場合、小型犬や子犬を指す言葉となります。
また、「狗」には、以上のような意味以外に、いやしいものといった意味があります。
「狗」の言葉の使い方
「狗」の言葉の使い方は、いぬの肉を意味する「狗肉」。
役に立つ良いいぬを意味する「良狗」といった言葉があります。
また、いやしいものを意味する「狗」の使い方には、コソ泥を意味する「狗盗」。
人の手先に使われる者を指す「走狗」といった言葉があります。
「戌」とは
「戌」は、「いぬ」という読み方以外に「ジュツ」とも読みます。
意味は、十二支の11番目を指すほか、方位の場合、西北西(西から北へ30度の方角)。
時刻の場合、今に時間で言えば午後8時ごろ。
また、その2時間前後の時間を意味します。
そのほか、1にあたる年や日。
陰暦の9月を指す言葉となります。
このようなことから、「戌」は、動物には全く関係のないものとなります。
「戌」の言葉の使い方
「戌」の言葉の使い方は、「戌の時」や「戌の刻」、「戌の日」などといった使い方のほか、「戌亥子丑寅」といった言葉があります。
この言葉は、犬に追われたり囲まれたりした際に退散させるための呪文です。
「犬」と「狗」と「戌」の違い
以上のように、「犬」と「狗」と「戌」それぞれに異なった意味があります。
「犬」は、一般的ないぬ全般を指す言葉で、大きさや種類など関係なく用いられる言葉。
「狗」は、いぬの中でも小型犬や子犬を指す言葉。
また、いやしいものといった意味も持ちます。
「戌」は、十二支や方位、時刻を指す言葉で、動物のいぬとは関係ありません。
このように、同じ「いぬ」でも、それぞれが指すものは異なります。
まとめ
以上のような意味の違いがある「犬」と「狗」と「戌」。
それぞれの意味の違いを踏まえ、適切に使い分けることが求められる言葉となります。