「犬」と「狗」と「戌」の違いとは?分かりやすく解釈

「犬」と「狗」と「戌」の違い言葉の違い【3語】

同じ読み方で間違われやすい「犬」「狗」「戌」にも明確な意味の違いがあります。

この記事では、「犬」「狗」「戌」の違いを分かりやすく説明していきます。

「犬」とは?

「犬」は、「いぬ」という読み方以外に「ケン」とも読みます。

食肉目イヌ科の哺乳類を指し、人間が飼っている「いぬ」全般が「犬」となります。

「犬」は古くから家畜化されており、人間の生活において関わり深い動物です。

種類や大きさなどに関係なく「犬」という漢字で表すことができます。


「犬」の言葉の使い方

「犬」の言葉の使い方は、犬の種類などを示すものが多くなります。

「野犬」「盲導犬」「猟犬」「警察犬」「軍用犬」「競争犬」「飼い犬」「秋田犬」「柴犬」「愛犬」などです。

また、「犬」を用いた言葉には、「負け犬」といった言葉もあり、意味は、敗残者の例えとなります。


「狗」とは?

「狗」は、「いぬ」という読み方以外に「ク」「コウ」とも読みます。

この「狗」も、食肉目イヌ科の哺乳類を指す言葉ですが、この「狗」の場合、小型犬や子犬を指す言葉となります。

また、「狗」には、以上のような意味以外に、いやしいものといった意味があります。

「狗」の言葉の使い方

「狗」の言葉の使い方は、いぬの肉を意味する「狗肉」

役に立つ良いいぬを意味する「良狗」といった言葉があります。

また、いやしいものを意味する「狗」の使い方には、コソ泥を意味する「狗盗」

人の手先に使われる者を指す「走狗」といった言葉があります。

「戌」とは

「戌」は、「いぬ」という読み方以外に「ジュツ」とも読みます。

意味は、十二支の11番目を指すほか、方位の場合、西北西(西から北へ30度の方角)。

時刻の場合、今に時間で言えば午後8時ごろ。

また、その2時間前後の時間を意味します。

そのほか、1にあたる年や日。

陰暦の9月を指す言葉となります。

このようなことから、「戌」は、動物には全く関係のないものとなります。

「戌」の言葉の使い方

「戌」の言葉の使い方は、「戌の時」「戌の刻」「戌の日」などといった使い方のほか、「戌亥子丑寅」といった言葉があります。

この言葉は、犬に追われたり囲まれたりした際に退散させるための呪文です。

「犬」と「狗」と「戌」の違い

以上のように、「犬」「狗」「戌」それぞれに異なった意味があります。

「犬」は、一般的ないぬ全般を指す言葉で、大きさや種類など関係なく用いられる言葉。

「狗」は、いぬの中でも小型犬や子犬を指す言葉。

また、いやしいものといった意味も持ちます。

「戌」は、十二支や方位、時刻を指す言葉で、動物のいぬとは関係ありません。

このように、同じ「いぬ」でも、それぞれが指すものは異なります。

まとめ

以上のような意味の違いがある「犬」「狗」「戌」

それぞれの意味の違いを踏まえ、適切に使い分けることが求められる言葉となります。