この記事では、「ウミウシ」と「アメフラシ」と「ナマコ」の違いを分かりやすく説明していきます。
見た目は似たようなの3種ですが、生物としての特徴に違いがありますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「ウミウシ」とは?
「ウミウシ」とは、軟体動物門腹足綱後鰓類の内、裸鰓類というグループの動物です。
生息地は浅い海の底で世界中に分布しており、ナメクジやカタツムリのような姿をしたやわらかく楕円形の生物です。
貝殻の退化した巻貝の仲間で貝殻が残っているものもあります。
「ウミウシ」という名前は触角が牛の角のように見えることから由来しています。
エサは主に海藻など植物性ですが、毒を持つ生物を食べていることもあり、体内に毒を蓄積している種も多いため、食べることはできません。
体長は数㎜~30㎝程度までとなっており、後述の「アメフラシ」よりも小型となっています。
「」とは?
「アメフラシ」とは、軟体動物門腹足綱後鰓類の内無楯類というグループの動物です。
生息地は1~3mほどの浅瀬で、前述の「ウミウシ」と同様にナメクジやカタツムリのような姿をしたやわらかく楕円形の生物です。
「アメフラシ」は刺激を与えると紫色の液を吐き出し、海中で見るとその液体が広がって雨雲のような雨雲がたちこめたように広がることから「アメフラシ」と言われます。
エサは主にコケムシなど動物性です。
食用として食べることはできますが、食感が固く、苦みや臭みがあるため下処理に手間がかかることから、一般にはあまり使われていません。
体長は多くが15cm~30cm程度となっており、前述の「ウミウシ」よりも大型となっています。
「ナマコ」とは?
「ナマコ」とは、棘皮動物門ナマコ網というグループの動物です。
生息地は潮間帯から深海まで海洋全域となっており、体が前後に細長く、口が水平に向いていて、体重の90%以上は水分です。
また、コラーゲンを主とする厚い体壁に覆われているなどの特徴があります。
「ナマコ」は名前の由来について諸説ありますが、もともと単に「コ」と呼ばれていましたが、生で食べることから「ナマコ」と呼ばれるようになったというのが有力な説です。
日本や中国で食用や漢方として、生で酢漬けや一度乾燥させて煮物にされるなどで食されています。
「ウミウシ」と「アメフラシ」と「ナマコ」の違い
まず、「ナマコ」は「棘皮動物門」に属し、食用として広く使われているのに対し、「ウミウシ」と「アメフラシ」は「軟体動物門」に属し、一般的には食用にされません。
次に「ウミウシ」と「アメフラシ」の違いについては、主に比較的体長が小さいのが「ウミウシ」で、体長が大きく、刺激によって紫色の液体を吐き出すのが「アメフラシ」です。
まとめ
「ウミウシ」と「アメフラシ」と「ナマコ」についてまとめると以下となります。
・「ウミウシ」は裸鰓類に属する動物で「アメフラシ」よりも小型です。
・「アメフラシ」は無楯類に属する動物で「ウミウシ」より大型かつ刺激によって紫色の液体を吐き出します。
・「ナマコ」は棘皮動物門ナマコ網に属する動物の総称です。