「片利共生」と「寄生」はいずれも生き物に関する言葉ですが、意味が異なるため区別して理解する必要があります。
この記事では、「片利共生」と「寄生」の違いを分かりやすく説明していきます。
「片利共生」とは?
「片利共生」は「へんりきょうせい」と読む言葉で、「異なる種の生物が相互に作用し合って生活する関係性において、一方だけが利益を受けて他方は利益も害も受けない関係」を意味します。
「寄生」とは?
「きせい」と読む「寄生」は、「特定の生物が別の生物の体内や体表について、そこから養分を摂取して生活すること」を意味する言葉です。
また、「他者に頼って生きること」や「他者に依存している状態」という意味で比喩的に用いられる場合もあります。
「片利共生」と「寄生」の違い
「片利共生」と「寄生」の違いを分かりやすく解説します。
「片利共生」は異種の生物が相互関係を持ちながら一緒に生活している現象のひとつで、「一方のみが利益を受けて他方は利益も害も生じない関係」を意味します。
「片利共生」の例として有名なのは「コバンザメとサメ」の関係です。
コバンザメはサメの腹部にくっつくことで外敵から守られるという利益を得ますが、サメの場合は特に利益や害を受けることはありません。
「片利共生」に含まれる関係性には、長期間にわたって続くケースもあれば、短期間の関係で終わるケースもあります。
一方、「寄生」は「ある生物がほかの生物の体内や体表について、その生き物から養分を取って生活すること」を意味し、「寄生する側が利益を受け、寄生される側が害を受ける」という特徴があります。
「寄生」の例としては「寄生虫と人間」があり、寄生虫は人間が摂取した栄養分を取るという利益を得ますが、人間は摂取した栄養分の一部を寄生虫に奪われるという害が生じます。
また、「寄生」は比喩的に「他人に依存して生きること」を表す言葉としても使用されています。
まとめ
「片利共生」は「一方だけが利益を受けて他方は利益も害も受けない関係」を示し、「寄生」は「特定の生物が別の生物の体内や体表について、そこから養分を摂取して生活すること」を示します。
「寄生」に比喩的な意味があることも覚えておきましょう。
ぜひ生物に関する言葉の違いを知る参考にしてください。