この記事では、「弁別」と「分別」の違いを分かりやすく説明していきます。
「弁別」とは?
「弁別」【べんべつ】は「判断や知覚によって物事の違いを適切に分けること」です。
漢字の「弁」にはわきまえる、分けるという意味があります。
また、「別」は、ほかと違うこと、けじめをつけることを意味しています。
これらの漢字を組み合わせた「弁別」は、違いを理解した上でそれぞれをはっきり分けるということを表しています。
「弁別」のようにものを分けることを意味する熟語には「区別」「識別」などがあります。
「区別」は物事を種類ごとにきちんと分けること、「識別」は違いを見分けることです。
「弁別」は「認識した上で」「はっきり分ける」というニュアンスが強く、「識別」した上で「区別」するのが「弁別」にあたります。
「分別」とは?
「分別」【ぶんべつ】は「物を種類ごとに分けること」です。
また、「ふんべつ」と読む場合は「物事の善悪や正誤が判断できること」を指します。
漢字の「分」と「別」はどちらもわけることを意味しており、さらに「分」はわきまえること、「別」ははっきり分けることを意味します。
これらの漢字を組み合わせた「分別」は、物の違いを判断して別々に仕分けすること、わきまえていて正しいこととそうではないことの違いが分かるさまを表しています。
「分別」の類語には「分離」や「仕分け」があります。
「分離」はくっついていた物を分けて離すこと、「仕分け」は種類ごとに分けることです。
これらは「分別」と意味がよく似ていますが、「分別」は「違いをわきまえた上で」というニュアンスが強いのに対し、「分離」「仕分け」のほうが機械的な印象があります。
「弁別」と「分別」の違い
「弁別」と「分別」の違いを分かりやすく解説します。
これらは「違いを見分けて別々にすること」を意味し、互いに類語の関係です。
漢字の「弁」「分」「別」はいずれも「わけること」を意味しているため、それらを組み合わせた「弁別」と「分別」は意味がとてもよく似ています。
「弁」と「分」はどちらも「違いがわかること」という意味も持っていますが、「弁」は「自分の力で判断した上で」、「分」は「道理や決まりに従って」といった微妙なニュアンスの違いがあります。
「分別」はどちらかというとマニュアルに添って区別しているのに対し、自分の感覚で違いを見分けて区別しているのが「弁別」にあたるといえるでしょう。
「弁別」の例文
・『彼女は繊細な色の違いを弁別することができる』
・『自分にとって何が必要なのかを弁別する』
「分別」の例文
・『ルールに従い、アルミ缶とスチール缶はきちんと分別して捨てる』
・『小動物は善悪の分別がつかないので、しつけることが難しい』
まとめ
「弁別」「分別」は「違いを見分けて別々にすること」で、互いに意味がとてもよく似ています。
ただし、「弁」と「分」の違いから、微妙にニュアンスが異なっています。