「地滑り」と「土石流」はどちらも土砂に関する言葉ですが、意味が異なるため分けて理解する必要があります。
この記事では、「地滑り」と「土石流」の違いを分かりやすく説明していきます。
「地滑り」とは?
「地滑り」は「じすべり」と読む言葉で、「土砂災害の一種で、傾斜面の一部もしくは全部分が地下水や重力などの影響によって緩やかに下方に移動する現象」を意味します。
また、「状況が大きく変わること」という意味もあわせ持っています。
「地すべり」と表記されることもあります。
「土石流」とは?
「どせきりゅう」と読む「土石流」は、「長雨や集中的な豪雨などによって、山や谷の岩、土砂などが一気に下方に流される現象」を意味する言葉です。
斜面の地表付近が雨や地震などの影響で突然崩れ落ちる「がけ崩れ」と、先述の「土石流」と共に「土砂災害」の種類の一つに分類されています。
「地滑り」と「土石流」の違い
「地滑り」も「土石流」も「土砂災害の種類のひとつ」という共通点がありますが、下記のような違いがあります。
「地滑り」は「傾斜面が地下水や重力などの影響でゆっくりと下方に移動する現象」を意味し、比較的広範囲にわたって発生する特徴があります。
「雪解け」または「長雨」の後に発生しやすい傾向がありますが、地震がきっかけで起こるケースもあります。
土砂災害は発生前に何らかの前兆が現れるといわれており、「地滑り」の場合は「地面の陥没やひび割れ」「地鳴りや山鳴りがする」「樹木がかたむく」「斜面や崖から水が噴き出す」などの前兆現象があるようです。
一方、「土石流」は「集中豪雨や梅雨時の長雨などによって、山の岩や土砂などが一気に下方に押し流される現象」を意味します。
「土石流」の速さは時速20〜40kmともいわれ、瞬く間に住宅や畑などを壊滅させてしまう特徴があります。
「土石流」の前兆現象としては、「土が腐った臭いがする」「山鳴りがする」「川の水が急に濁って流木が混ざってくる」「雨が続いているのに川の水位が下がる」などが挙げられます。
まとめ
「地滑り」は「傾斜面が地下水や重力などの影響によって徐々に下方に移動する現象」を示し、「土石流」は「長雨や集中豪雨などによって、山や谷の岩、土砂などが一気に押し流される現象」を示します。
双方の前兆現象についてもチェックしておきましょう。
ぜひ参考にして、災害対策に役立ててください。