この記事では、「地すべり」と「崩壊」の違いを分かりやすく説明していきます。
「地すべり」とは?
比較的緩やかな斜面で、地下水の上昇などが原因で土砂が非常にゆっくりと、断続的に移動する現象を意味する言葉です。
地質構造によって特定の地域で発生しやすいとされます。
「地すべり」の移動速度は、数センチメートルから数十メートル/年と非常に遅く、そのゆっくりとした動きにより、長期間にわたって地形や建造物に影響を及ぼす可能性があります。
「崩壊」とは?
急勾配の斜面で、集中豪雨などの強い雨が原因によって、短時間に土砂が滑落する現象を意味する言葉です。
「崩壊」は、砂質土や風化土、割れ目の多い岩体などで起こりやすく、表層崩壊や深層崩壊などに分類されます。
また、「崩壊」の含水比は比較的低く、斜面の崩壊物が谷底の水と混ざり合って流下すると、崩壊を起因とする土石流に発展することがあります。
「地すべり」と「崩壊」の違い
「地すべり」と「崩壊」の違いを、分かりやすく解説します。
「地すべり」と「崩壊」は、どちらも土砂や岩石が斜面を移動する現象を意味する言葉ですが、それぞれに違いがあります。
「地すべり」は、比較的緩やかな斜面で、地下水の上昇などが引き金となり、土塊が非常にゆっくりと、断続的に移動する現象のことです。
しばしば長期間にわたり、地質構造に依存して発生します。
その一方で、「崩壊」は、急勾配の斜面で、集中豪雨などの強い雨が誘因となり、土塊が短時間で滑落する現象のことです。
砂質土や風化土、割れ目の多い岩体などで起こりやすく、斜面からの崩壊物が谷底を流れる水と混ざり合い、土石流を形成することもあります。
このように、「地すべり」と「崩壊」の違いは、移動する土塊の速度と水分含有量にあると考えられます。
「地すべり」はゆっくりとした速度で、崩壊は速い速度で発生し、水分含有量が高いのに対して、「崩壊」は比較的低い水分含有量で発生するとされます。
まとめ
「地すべり」と「崩壊」という2つの現象は、マスムーブメントと呼ばれる土砂や岩石が集団で移動する現象の一部であり、移動速度や規模、運動様式によって分類されます。
「地すべり」は、遅い移動速度と継続性が特徴的で、「崩壊」は、速度の速さと短期間での発生という特徴があると言えるでしょう。