「過労」と「疲労」はいずれも「労」という漢字が使われた熟語ですが、意味が異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「過労」と「疲労」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過労」とは?
「過労」は「かろう」と読む言葉で、「心身を使い過ぎた結果、疲れが溜まること」または「肉体や精神の健康を損ねるほど働き過ぎて疲れが蓄積すること」を意味します。
漢字の「過」には「度がすぎる」「通りすぎる」「時がたつ」といった意味があり、「労」には「はたらく」「疲れる」「ねぎらう」などの意味が含まれています。
「疲労」とは?
「ひろう」と読む「疲労」は、「筋肉や神経などの使い過ぎによってそれらの機能が低下し、倦怠感などを感じるようになること」やその状態、「疲れ」を意味する言葉です。
「疲」は「体力や気力がなくなる」「つかれる」などを表し、「労」は「はたらく」「ねぎらう」といった意を示します。
「過労」と「疲労」の違い
「過労」も「疲労」も「疲れる」という意味合いを持つ点は共通していますが、以下のような違いがあります。
「過労」は「疲れが蓄積すること」という意味合いが強い印象があり、睡眠や休日を取っても回復しにくいほど疲れが溜まっている状態を表します。
一方「疲労」は、疲れの程度が「過労」ほど高くなく、睡眠や休日を取ることで回復するような疲れを示す際に使用します。
「過労」の例文
「過労」は「過労になる」や「過労で〜する」のように使用します。
労働分野や医療分野などで多く用いられている言葉といえます。
・『昼夜を問わず働いた結果、過労になってしまった』
・『彼女は過労で倒れ、しばらく入院することになった』
「疲労」の例文
「疲労」は「疲労する」や「疲労が回復する」などのように使います。
労働分野のほか日常生活でも使用される場合があります。
・『引っ越しや異動、家族の不幸などが重なり、心身共に疲労する』
・『昨夜ぐっすり眠ったおかげで、疲労が回復した』
まとめ
「過労」は「心身を使い過ぎたことで疲れが蓄積すること」「肉体や精神の健康を損ねるほど働き過ぎて疲れが溜まること」を示し、「疲労」は「筋肉や神経などを使い過ぎた結果それらの機能が低下し、だるさなどを感じるようになること」「疲れ」を示します。
双方の意味を理解して、状況に応じて使い分けてください。