この記事では、「アサコール」と「サラゾピリン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「アサコール」とは?
有効成分としてメサラジンを含み、抗炎症作用を持つ薬剤を意味する言葉です。
メサラジンはそのまま投与すると小腸で吸収されてしまうため、アサコールではpH依存性のコーティングが施されており、大腸でのみ溶けてメサラジンが放出されるようになっています。
これにより、大腸の炎症を効果的に抑えることが可能です。
「サラゾピリン」とは?
メサラジンとスルファピリジンという抗菌薬が結合したサラゾスルファピリジンを有効成分とする薬剤を意味する言葉です。
体内でこの薬剤は腸内細菌によってメサラジンとスルファピリジンに分解され、メサラジンによる抗炎症作用とスルファピリジンによる抗菌作用が期待されます。
「サラゾピリン」は、スルファピリジンを含むため、アサコールに比べて副作用が多いとされています。
「アサコール」と「サラゾピリン」の違い
「アサコール」と「サラゾピリン」の違いを、分かりやすく解説します。
「アサコール」と「サラゾピリン」は、どちらも潰瘍性大腸炎の治療に用いられる薬剤を意味する言葉ですが、成分と作用機序に違いがあります。
「メサラジン」は、5-アミノサリチル酸そのものです。
抗炎症作用を持ちます。
しかし、そのまま投与すると小腸で吸収されてしまうため、大腸まで到達するように放出が調節された製剤が「アサコール」だと言えます。
pH依存性徐放剤で、pH7以上の環境、つまり回腸末端から大腸全域でメサラジンを放出するため、直腸炎型の潰瘍性大腸炎にも効果が期待されます。
その一方で、「サラゾピリン」は、メサラジンとスルファピリジンというサルファ剤の抗菌薬が結合した薬剤です。
腸内細菌によってメサラジンとスルファピリジンに分解され、メサラジンによる抗炎症作用で大腸の炎症を改善します。
まとめ
「アサコール」と「サラゾピリン」は、同じ5-ASAを有効成分としながらも、副作用のリスクや作用機序に違いがあります。
治療を受ける際には、これらの違いを理解し、医師とよく相談することが大切なことだと言えるでしょう。