「置き忘れ」と「亡失」は同じような意味を持つと思われがちな言葉ですが、細かな意味が異なるため使い分けが必要です。
この記事では、「置き忘れ」と「亡失」の違いを分かりやすく説明していきます。
「置き忘れ」とは?
「置き忘れ」は「おきわすれ」と読む言葉で、「物をどこかに置いたままにし、持って来るのを忘れること」を意味します。
そのほか、「特定の物を置いた場所を忘れる」という意味も持ち合わせています。
「亡失」とは?
「ぼうしつ」と読む「亡失」は、「ほろびる」や「なくなる」「なくす」などを表す「亡」と、「うしなう」「なくす」といった意を示す「失」で構成される熟語です。
文字通り「ものがなくなること」や「ものをなくすこと」「何かを失うこと」という意味があります。
「置き忘れ」と「亡失」の違い
「置き忘れ」も「亡失」も「物が手元にない」ことを示す点は共通していますが、細かな意味に違いがあります。
「置き忘れ」は、手元にない物を「どこかに置きっぱなしにして持って来るのを忘れる」もしくは「置いてきた場所を忘れる」という意味合いがあります。
一方、「亡失」は、「その物を失ってなくす」という意味合いが強く、「特定の場所に置いて持参するのを忘れる」や「置いた場所を忘れる」というニュアンスは含まれていないと考えられます。
「置き忘れ」の例文
「置き忘れ」は「〜を置き忘れる」や「〜の置き忘れ」などのように使用します。
日常生活でも気軽に使える表現です。
・『スーパーのトイレにスマホを置き忘れる』
・『傘の置き忘れにご注意ください』
「亡失」の例文
「亡失」は「亡失する」「〜の亡失」のように用いられます。
話し言葉ではなく文章語にあたる言葉なので、日常会話ではあまり耳にしない言葉かもしれません。
・『航空機のチケットを亡失する』
・『個人情報が記載されている書類の亡失を防ぐ』
まとめ
「置き忘れ」は「物をどこかに置いて持って来るのを忘れること」を示し、「亡失」は「物を失ってなくすこと」を示します。
「亡失」が文章語である点も覚えておきましょう。
両者の意味の違いや使用方法を理解して、シーンに応じて使い分けてください。