この記事では、「増す」と「益す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「増す」とは?
数量や程度が大きくなること、または大きくすることを表す動詞です。
例えば、「人口が増す」「利益を増す」などのように使います。
この言葉は「ふえる」「ふやす」と同じ意味ですが、より文語的な響きがあります。
また、「増す」は「が」や「を」をとる場合がありますが、「ふえる」は「が」を、「ふやす」は「を」をとるのが一般的です。
「益す」とは?
利益や役に立つことを表す名詞「益」に動詞の接尾辞「す」がついたものです。
しかし、この言葉は現代ではほとんど使われません。
代わりに、「益々」という副詞がよく使われます。
「益々」とは、良いことの程度が強くなっているさまを表す言葉で、「いよいよ」「ますます」と同じ意味です。
例えば、「益々元気になる」「益々繁盛する」などのように使います。
この言葉は「増々」と同じ意味になりますが、「益々」はプラスな意味を表現するときに多用されます。
「増す」と「益す」の違い
「増す」と「益す」の違いを、分かりやすく解説します。
「増す」と「益す」はどちらも「ます」と読みますが、意味や使い方が異なります。
「増す」は、数量や程度が多くなる、または多くするという意味です。
その一方で、「益す」は、利益や効果を得る、または与えるという意味です。
「増す」と「益す」は、漢字の違いで意味が変わる同音異義語の一つです。
使い分けに注意しましょう。
「増す」の例文
・『秋になると、食欲がどんどん増す』
・『このエリアは、日本では珍しく、人口が増す傾向にある』
「益す」の例文
・『彼は勉強熱心なので、知識をどんどん益すことだとう』
・『私たちが益すべきことは何だろうか?』
まとめ
「増す」と「益す」は、どちらも副詞として「ますます」と書いて、程度が強くなることを表すことが可能です。
しかし、「増す」はどのような内容の文章でも使えますが、「益す」は良いことやプラスな意味を表すときに多用されます。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。