この記事では、「仰向け」の「背臥位」の違いを分かりやすく説明していきます。
「仰向け」とは?
一般的な言葉で、顔や胸、腹などを上に向けて横になっている姿勢のことです。
逆の状態をうつ伏せと言います。
仰向けは、休息時や就寝時によくとる自然な体位です。
仰向けになると、全身の筋肉の緊張が最も少なくなり、生体エネルギーの消費も最も節約できます。
また、頭部・体幹・四肢の各部が心臓とほぼ同じ高さになるため、全身の血流量が増えます。
しかし、仰向けになると、気道閉塞や誤嚥の危険性も高まります。
また、長時間仰向けになると、背部や臀部、踵部などに褥瘡ができやすくなります。
「背臥位」とは?
介護や看護などの専門用語で、仰向けのことを言います。
背臥位は、内科的な診察や処置、外科手術などにおいて、好んで用いられる体位です。
背臥位には、能動的背臥位と受動的背臥位とがあります。
能動的背臥位とは、自分の意志で仰向けになることです。
受動的背臥位とは、衰弱や意識障害などが原因で、自分の意志だけでは仰向けから他の体位に変われなくなった状態を指します。
受動的背臥位の場合は、体位変換や枕の調整などの介助が必要です。
「仰向け」の「背臥位」の違い
「仰向け」の「背臥位」の違いを、分かりやすく解説します。
仰向けと背臥位は、意味としては同じですが、使われる場面や目的が異なります。
仰向けは、日常的な言葉で、自然な休息の姿勢を表します。
背臥位は、専門的な言葉で、医療や介護の現場での姿勢を表します。
仰向けと背臥位の違いを理解することによって、より正確なコミュニケーションが可能になるでしょう。
「仰向け」の例文
・『仰向けに倒れている人を見つけたら、まず呼吸をチェックしてください』
・『仰向けになって、足を上げてください』
「背臥位」の例文
・『背臥位から起き上がる際には、まず横向きになってから腕で体を支えると良いでしょう』
・『背臥位での腹圧測定は、腹部の筋肉の緊張を最小限に抑えるために行われる』
まとめ
「仰向け」と「背臥位」は同じ意味の言葉ですが、使われる文脈や場面が異なります。
一般的に、「仰向け」は日常的な表現で、「背臥位」は医学的な表現です。
ぜひ、正しく使い分けしましょう。