この記事では、「成り立ち」と「歴史」の違いを分かりやすく説明していきます。
「成り立ち」とは?
ある物事や団体などが、どのようにして現在の形にまでなったのかという過程や仕組みを意味します。
成り立ちというのは、ある物事が今の状態にできあがるまでの具体的なプロセスや事情を意味している表現です。
成り立ちには、物事の完成までの経過だけではなく、人物の現在に至るまでの経歴や生い立ちの意味もあります。
成り立ちには、歴史のような公的・学問的なニュアンスはなく、より個別的・具体的なニュアンスがあります。
成り立ちを知ることで、物事や人物の背景や理由を理解することが可能です。
「歴史」とは?
過去に起こった出来事やその変化の流れを、史料や記録などを用いて調査・記述することです。
歴史は、人類の国家や文明、民族や偉人などに関する事実やその時間的な変遷を知ることが可能です。
歴史は、学問としての方法論を確立した近代歴史学が17世紀から19世紀にかけて成立しました。
歴史学は、史料批判や史料読解などの手法を用いて、歴史の真実性や意味を探求する学問です。
歴史学は、歴史学者や歴史家が大学や研究所で行うほか、日曜歴史家や郷土史家などが個人で行うこともあります。
歴史学の目的は、過去の全ての事実を調べることではなく、自分の問題意識や関心に従ってテーマを選び、論文を執筆することです。
「成り立ち」と「歴史」の違い
「成り立ち」と「歴史」の違いを、分かりやすく解説します。
「成り立ち」は、ある物事や団体などが現在の形になるまでの過程や仕組みを意味し、歴史よりも長期的な時間軸における国家・文明・民族などに生じた過去の出来事というニュアンスになる違いがあります。
その一方で、「歴史」は、過去の出来事やその変化の流れを調査・記述することで、歴史学という学問を形成しており、歴史学を前提に、過去に人間社会に生起した事件の経過を示すフォーマルなニュアンスを持っています。
「成り立ち」の例文
・『レインボーは、太陽の光が雨粒に当たって屈折し、分散されることで成り立ちます』
・『日本語の成り立ちには諸説ある』
「歴史」の例文
・『この老舗の歴史は江戸時代にまで遡る』
・『日本の歴史は、紀元前から現代まで、さまざまな時代に分けられます』
まとめ
「成り立ち」と「歴史」の違いは、一般的に「成り立ち」がある物事の具体的なプロセスや人物の経歴を意味するのに対して、「歴史」がより長期的な時間軸における国家や文明などの過去の出来事を意味するということです。