この記事では、「王道(おうどう)」と「覇道(はどう)」の違いを分かりやすく説明していきます。
「王道」とは?
「王道」とは、「中国神話における儒家思想に基づいた統治」を示す言葉です。
そこから意味が転じて「あることが進んで行く際にとおるべき正当な道」あるいは「物事の正しいあり方」などという意味合いで使われており、現代においては「定番」ないし「正攻法」、「公式な」などという意味合いで使われている文言です。
「覇道」とは?
「覇道」とは、「儒教の理念において武力や権力などをもって人や国などを支配したり統治する道」を示す言葉です。
古来「覇者(はしゃ)」と呼ばれたものが武力によって手に入れた権力をもって国を統一して治めていく過程や道程などを表しており、「力による支配」または「武力統治」などというニュアンスで使用されています。
「王道」と「覇道」の違い
「王道」と「覇道」は、いずれも「古代中国の政治思想」を由来とする言葉です。
「仁愛(じんあい)による統治」を目指す「王道」に対して、「力、主に武力をもって支配する」ことを強制する「覇道」は、まったく反対の意味をもっている文言であると言えます。
また、一般的に使われることがあまりないと言える「覇道」の一方で、「王道」は現在においても「セオリーどおり」ないし「正統な」などというニュアンスでしばしば用いられている語句と言えます。
「王道」の例文
・『学校給食の王道メニューといえば、カレーライスと揚げパンでしょう』
・『東京と京都だけではなく北海道や九州も日本観光の王道です』
「覇道」の例文
・『覇道経営といえる企業は人材がなかなか定着しにくい現状があります』
・『横行(おうこう)覇道の振る舞いが過ぎてみなさんを呆(あき)れさせてしまいました』
まとめ
「王道」と「覇道」は、どちらも「人の道理」などを示す「道」という共通した語を含んだ言葉です。
使用する際にはそれぞれの語句がもっている微妙なニュアンスの違いに注意をしながら上手に使い分けるようにしましょう。