「一攫千金」と「一獲千金」は双方とも「いっかくせんきん」と読む四字熟語ですが、それぞれ意味の違いなどはあるのでしょうか。
この記事では、「一攫千金」と「一獲千金」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一攫千金」とは?
「一攫千金」は「苦労せずに大金を手に入れること」を意味する言葉です。
「一」は「一回」を、「攫」は「つかむ」を、「千金」は「多くの金銭」を示し、「一回の労力で巨額の富を得ること」という意味で使用されています。
「一獲千金」とは?
「一獲千金」は「ひとつかみで数多くのお金を得る」という意味がある言葉です。
先述した「一攫千金」のうち「攫」の字が常用外漢字のため、「入手する」という意味を持つ「獲」を当て字として使用したといわれています。
「一攫千金」と「一獲千金」の違い
「一攫千金」も「一獲千金」も意味は同じで、「一攫千金」の「攫」が常用外漢字であることから当て字を用いたのが「一獲千金」とされています。
両者とも、「一度で大量の金銭を手に入れる」「少ない労力で大金を得る」を示す四字熟語として使われています。
宝くじを買って巨額の当選金を得ようとしたり、ギャンブルで大金を設けようとしたりなど、地道に働かず楽をして多くの金銭を手に入れようとする行為に対して使用されます。
また、少ない元手でビジネスをスタートさせ、のちに成功して多くの資産を手に入れることに対して用いることもあります。
「一攫千金」の例文
「一攫千金」は「一度もしくは少ない労力で多額のお金を入手する」もしくは「少ない元手で巨額の利益を得る」といった意味で使用されています。
・『何気なく購入した宝くじが当たり、一攫千金をゲットした』
・『一攫千金を目標に起業したが、起動に乗らないため地道に働く道を選んだ』
「一獲千金」の例文
「一獲千金」は、「一攫千金」の「攫」が常用漢字でないため代わりの字として「獲」を使った言葉です。
厳密には「一攫千金」の方が正しいとされていますので、漢字変換などの関係で「攫」の文字が使えない場合に「一獲千金」を使用するのが適切といえます。
・『彼はギャンブルをやりすぎて、一獲千金どころか巨額の借金を抱え込むことになった』
・『一獲千金を夢見て競馬のデータ分析を始めたが、なかなか当たらない』
まとめ
「一攫千金」は「少ない労力で大金を得る」ことを示し、「一獲千金」は「一攫千金」の「攫」を「獲」の字で代用した表現です。
双方とも意味は同じですが、本来は「一攫千金」が正しいとされているため使用の際は注意しましょう。