この記事では、「小僧」と「丁稚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「小僧」とは?
小僧とは、江戸時代に商家に丁稚奉公をする年少の男の子のことをいいました。
江戸を中心に使われていた言葉で、「こぞう」と読みます。
小僧は元々、年少の僧を指す言葉でした。
具足戒を受けた成年僧のことを大僧といい、具足戒を受ける前の僧は大僧に対して小僧(しょうそう)と呼ばれていたのです。
小僧には未熟な者という意味が含まれており、僧を卑しめて言う時に小僧というようになりました。
それが江戸時代に入り、商家に奉公する子どもの呼び名になります。
その頃には「愛らしい」というニュアンスも含まれています。
また、単に男の子のことを小僧と呼んだりもします。
「丁稚」とは?
丁稚とは、商家に年季奉公する年少の者を指す言葉です。
関西方面で使われていた言葉で、江戸では小僧といいます。
丁稚は商家に住み込みで働いており、雑用や肉体労働を行っていました。
食事や生活に必要な物などは奉公する商家から支給されましたが、給料は全くないかごくわずかしかもらえませんでした。
大体、10歳前後で丁稚になり、10年程の年季奉公が終わると手代となって給金が支払われるようになります。
農家では田畑を継ぐのは長男なので、それ以外の男の子は丁稚になることが多かったようです。
明治時代に入ると、丁稚のような年季奉公の制度は廃止されました。
「小僧」と「丁稚」の違い
小僧も丁稚も江戸時代に商家で年季奉公をしていた年少の者を指す言葉です。
小僧は主に江戸を中心に使われていた言葉で、小僧さんと呼ばれることもありました。
丁稚は上方(かみがた)と呼ばれる関西方面で使われていた言葉です。
親しみを込めて丁稚どんと呼ばれたりもしています。
まとめ
小僧と丁稚は同じものですが、使われていた地域に違いがあります。
小僧は江戸を中心に使われていた言葉で、丁稚は上方を中心に使われていた言葉になります。