感染症を引き起こすと怖いのはどちらも同じ?
この記事では、「桿菌」と「球菌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「桿菌」とは?
読んで字の如く桿(竿状の棒)の姿をしているのが特徴の細菌や菌類を指します。
普段私達が生活している機会でよく目にするのはヨーグルトに含まれるブルガリア菌やビフィズス菌だと言っていいでしょう。
その他では病気の名前は知っていても「桿菌」であるとは知らない方も多いと思われます。
大腸菌、コレラ菌、破傷風菌、炭疽菌等々現代医学でも罹患したら治療が困難な病気の原因菌を挙げる事ができます。
「球菌」とは?
現代では前述したヨーグルトの「桿菌」と「球菌」であるサーモフィラス菌が相互補完の関係で乳酸を大量に生成する事が有名だと思われます。
「球菌」はこちらも文字通り真正細菌や古細菌の球形をしているものです。
常在菌が多いですから常に身近だと言えますが、認知度の高い球菌としては黄色ブドウ球菌が挙げられるでしょう。
「桿菌」と「球菌」の違い
「桿菌」と「球菌」の違いを、分かりやすく解説します。
まずは外見が前者は棒状や円筒状に見えるものが多く、後者は球状のものだと言えます。
また大きさも異なり「桿菌」は大きめ「球菌」は小さめなものが多く存在していると言えるでしょう。
また桿菌は江戸時代に多くの死者を出したコレラ菌や現代でも罹患したら部位の切断の可能性のある破傷風菌、生物兵器に使われる可能性のある炭疽菌など凶悪な毒性を持ったものが多いのは間違いありません。
これはグラム染色により青紫色に染まる細菌であるグラム陽性菌を指します。
基本的に「桿菌」はグラム陽性菌であり「球菌」はグラム陰性菌に該当し、グラム染色で赤く染まります。
まとめ
「桿菌」はグラム陽性菌がほとんどを占め、自然常在菌であるもの人間が何らかの免疫低下を起こしている時には高い毒性を発現すると言ってもいいでしょう。
「球菌」は黄色ブドウ球菌や肺炎球菌などもありグラム陰性菌で人常在菌でもあります。
しかし感染症を引き起こした場合には重症化も否めません。
ここ20年程度で多角的視点からの細菌の分類が進み、顕微鏡による視覚的な「桿菌」と「球菌」による分類は形骸化しつつあるもの、細菌の鑑別同定を行う際など、多くの場面で依然重要な役割を果たしています。