埴輪などで有名な日本の古代の弥生時代に、大陸から「鋳物」の技術が伝来し、その結果、銅鐸や銅鏡のような緻密な器具が生まれたのは有名な話です。
それでは、この「鋳物」とはどういう意味でしょうか。
また、「ダイキャスト」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「鋳物」と「ダイキャスト」の違いを分かりやすく説明していきます。
「鋳物」とは?
「鋳物」とは、金属の型の中に溶かした金属を流し込んでその後冷やして固めたもののことを示す言葉です。
その「鋳物」を作る方法のことを「鋳造」と言います。
材料としての金属は、銅、鉄、合金などさまざまなものが用いられます。
「ダイキャスト」とは?
「ダイキャスト」とは、「ダイカスト」とも呼ばれ、英語の「die-cast」をカタカナ表記した言葉です。
「die-cast」の「die」とはサイコロを表す「dice」の単数形で四角いもののことを言います。
また、そこから派生して「鋳型」のことを表します。
そして、「cast」とは投げるとか流し込むという意味なので。
もともと「ダイキャスト」は「型に流し込む」となり、「鋳造」と同じ意味になります。
しかし、実際には「ダイキャスト」と呼ばれているのは、流し込むときに圧力を加える方法のことを言います。
これによって、短時間に型の隅々まで材料を行き渡らせることが可能になったため、大量生産が可能になりました。
「鋳物」と「ダイキャスト」の違い
「鋳物」と「ダイキャスト」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、どちらも金属の型に溶かした金属などを流し込んで整形した「鋳物」の仲間であることは同じですが、簡単に言えば「ダイキャスト」は「鋳物」の製造方法の一つです。
前述のように、「鋳物」とは、型に流し込んで作る技法、つまり「鋳造」の技術を使用して作った主に金属器のことを示す言葉ですが、その「鋳造」の技術を発展させ、型に流しこむときに加圧する技術およびその技術を用いて作られたもののことを「ダイキャスト」と言います。
したがって、結論としては「ダイキャスト」は「鋳物」の一種であるというのが正しいでしょう。
まとめ
この記事では、「鋳物」と「ダイキャスト」の違いを、解説してきました。
現在、身の回りにある「鋳物」である鍋、やかん、たこ焼きプレートなどはほとんど「ダイキャスト」で作られています。
つまり大量生産のために「ダイキャスト」は必須の技術であると言えます。