例えば、目上の相手に対して何かの状態を説明する時に、「こちらのドアは外開きとなっておりますので、ご注意ください」のような表現をすることがあります。
それでは、この「となっております」とはどういう意味でしょうか。
また、「になっております」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「となっております」と「になっております」の違いを分かりやすく説明していきます。
「となっております」とは?
「となっております」とは、何かがその状態になっているということを表す言葉で、主に目上に人に対して使われます。
「になっております」とは?
「になっております」とは、同様に、何かがその状態になっているということを表す言葉で、主に目上に人に対して使われます。
「となっております」と「になっております」の違い
「となっております」と「になっております」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、前述のように、何かの状態を示すために使用される言葉であることは同じですが、実は若干のニュアンスの違いがあります。
それは、助詞として「と」を使うのか「に」を使うのかの違いと言っても良いでしょう。
これは、一部に話し言葉と書き言葉の違いとの意見もありますが、少なくとも一般的な会話においてみれば的を射てはいないことがわかります。
わかりやすいように、以下のようなシチュエーションを想定します。
自分があるスポーツショップに行って気に入ったTシャツがあったのですが、そこには白いものしかなかったので、「このTシャツの別の色はありますか?」と尋ねました。
それに対してそこの店員さんは「申し訳ありません。
こちらホワイトだけとなっております」と答えました。
そして最後の店員のセリフを「申し訳ありません。
こちらホワイトだけになっております」と変えます。
どちらも違和感がないでしょう。
つまり、口語表現においても両方の言い方が可能ということです。
では、何が違うのでしょうか。
それは、「そうなっている経緯」です。
つまり、「に」はあまり経緯に関係なくただ、「そうなっている」というニュアンスがあるのに対して、「と」には、「結果としてそうなった」というニュアンスがあります。
前述の例においては、もし、そのTシャツがもともと白しか作られていなかった場合は、「ホワイトだけになっております」と言い、最初は他の色もあったが、結局他の色は売れてしまって、今は白の在庫しかないという場合には「ホワイトだけになっております」という言い方になります。
まとめ
この記事では、「となっております」と「になっております」の違いを、解説してきました。
この2つに関しては、前述のように、微妙なニュアンスの違いがありますが、実際の生活においてそのことを明確に意識して使っている人はほとんどいないと思われます。
したがって、使用する場合にはただ言いやすい方を使って構わないと考えて良いでしょう。