同じような意味合いで使われる言葉として「若干」と「多少」があります。
どちらも良く使う言葉ですが、この2つはどのような基準で使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「若干」と「多少」の違いを解説します。
「若干」とは?
「若干」とは、「決して多いとは言えない少ない数量」を指す言葉です。
「若干」の使い方
物事の数量を示す時に使う表現で感覚的に決して多いとはいえない少ない数量を表します。
具体的な数字を明確にしない曖昧な表現であり問い合わせて確認したり在庫を数えたりなど確認しておらず正確な数が分かっていない状態ではあるがそれほど多くないことがはっきりしている場合に用いる表現です。
物質的な数量だけではなく人の性格や気質などの程度を表す場合にも使います。
「多少」とは?
「多少」とは、「多いか少ないかを問わない幾らか」を意味する言葉です。
「多少」の使い方
正確な数ははっきりしないが幾らかの数量はあるのが確実な時に用いる表現です。
一般的には数が少ないことを表す意味で使われることが多く「わずかな」「少しくらいは」といったような意味合いで使います。
本来は多いか少ないかに関わらない数量を表す言葉ですが、ほとんどは少なさを表す意味で使われています。
「若干」と「多少」の違い
どちらも量が少ないことを表す言葉ですが多くはないことを強調しているのが「若干」、ゼロではないことを強調しているのが「多少」という違いで使い分けられます。
数量があったとしても「若干」は限られた数しかないのに対し、「多少」は少しあるのは確実でたくさんある可能性も含まれている表現です。
「若干」の例文
・『在庫が若干残っている』
・『若干躁鬱傾向が見られる』
・『採用者は若干名とのことだ』
・『当日券を若干発売する』
「多少」の例文
・『多少の無理はするつもりだ』
・『多少は手加減してほしい』
・『多少のことなら我慢できる』
・『鎮痛剤で痛みは多少抑えられた』
まとめ
「若干」と「多少」は微妙なニュアンスの違いで使い分けられます。
言葉の意味を正しく理解してふさわしい表現を使いましょう。
