この記事では、「有象無象」と「森羅万象」の違いを分かりやすく説明していきます。
「有象無象(うぞうむぞう)」とは?
「有象無象」とは、「取るに足らない連中」や「数だけは多いが、くだらない人や物の例え」、「有形無形の全てのもの」を意味する言葉です。
ここでの「象」は仏教用語における「形」を意味します。
「有象無象」の使い方
「有象無象」は名詞として使われています。
「森羅万象(しんらばんしょう)」とは?
「森羅万象」とは、「この世界に存在している数限りない全てのものや事象」を意味する言葉です。
「森羅(しんら)」とは数多の樹木が生い茂って並んでいる意味であり、「万象(ばんしょう)」とは「形ある全てのもの」という意味を表します。
「森羅万象」の使い方
「森羅万象」は名詞として使われています。
「有象無象」と「森羅万象」の違い
「有象無象」と「森羅万象」にはいずれも「この世に存在している有形無形全てのもの」という意味が含まれており、2語は類義語の関係に当たると言えます。
ただし、「有象無象」には上記の意味のほか、「ろくでもない人や物の集まり」や「烏合の衆」など、ネガティブな意味も持っている言葉なので、使用するときは注意が必要です。
「有象無象」の例文
・『有象無象の評判など気にしていても大事は成せないと彼は力説した』
「森羅万象」の例文
・『時代の移り変わりや人の生死などは、森羅万象という大きい括りの中の一要素でしかない』
まとめ
「有象無象」は「取るに足らない連中」や「数だけは多いが、くだらない人や物の例え」、「有形無形の全てのもの」を意味する四字熟語であり、「森羅万象」は「この世界に存在している数限りない全てのものや事象」を意味する四字熟語です。
どちらも「有形無形全てのもの」という意味を含んでいますが、「有象無象」にはそれに加えて、大勢のことを貶めた表現も含んでいる点に注意が必要です。