「寡占」と「複占」の違いとは?分かりやすく解釈

「寡占」と「複占」の違いとは?違い

「寡占」「複占」はどちらも支配的な状況にある市場を指す言葉です。

2つの言葉はどのような違いで区別されるのでしょうか。

今回は、「寡占」「複占」の違いを解説します。

「寡占」とは?

「寡占」とは、「市場が少数の売り手によって支配されること」を意味する言葉です。


「寡占」の使い方

自由競争市場では需要と供給によって価格が決まりますが、供給を担う売り手の数が極端に少なくなると自由競争が発生せず価格の硬直化が起こります。

市場における供給者である売り手の数が極端に少なく自由競争が発生しない状況を「寡占」といいます。

「寡占」は本来競争によって決まる取引価格が特定少数の思惑によって左右されてしまう不健全な状態です。

具体的な基準はありませんが基本的には売り手が3社以上かつ容易に入れ替えが起きない数社で固定されている状態を指します。

売り手だけでなく買い手側が小数によって占められる「寡占」も存在します。


「複占」とは?

「複占」とは、「市場が2社の売り手によって占められていること」を意味する言葉です。

「複占」の使い方

市場に商品を供給する売り手が2社しかいない状態を指します。

売り手が2社しかいないためそれぞれの企業は市場に対して強い影響力を有しますが、2社がそれぞれ市場の独占を目指して激しい競争が発生することもあります。

競争状態に陥った「複占」市場は通常の競争市場に比べて価格競争が激しくなり、安売りでシェアを奪おうと考える2社により価格の上方硬直性が発生します。

「寡占」と「複占」の違い

どちらも健全な競争が起きていない不健全な市場ですが「寡占」が数社のみで売り手が占められているのに対し「複占」は2社のみで売り手が占められている、という支配する売り手の数で区別されます。

「寡占」の例文

・『寡占市場では価格競争が起きにくい』
・『新規参入で寡占が崩れた』

「複占」の例文

・『複占企業がしのぎを削っている』
・『複占市場ではまれに激しい競争が発生する』

まとめ

「寡占」「複占」は支配している企業の数の違いで区別されます。

2社なのかそれ以上なのかが基準なので憶えておきましょう。

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