この記事では、「野武士」と「浪人」の違いについて紹介します。
野武士とは?
野武士とは、戦国時代に山野で暮らしていた武装集団のことをいいます。
特定の主人に仕えることはなく、戦があれば雇われて足軽として戦闘に加わることもありました。
普段は狩猟や工作などをして生活していましたが、追はぎや略奪、強盗などをする者も多かったといいます。
武装して徒党を組み、落ち武者狩りなども行っていました。
「武士」という名前が付いていますが、武士ではありません。
武士から落ちぶれて野武士になった者もいましたが、その多くは農民です。
豊臣秀吉が天下を取りつつあった時に、刀狩令が出されたことで野武士は武器を取り上げられました。
浪人とは?
浪人とは、主家を持たない武士のことをいいます。
自ら主家を去る場合もありますし、主家が取り潰されたりして禄を失った場合もあります。
元々は、他国を浮浪している浮浪人のことを指す言葉でした。
戦国時代においては、主家を失って浪人になっても、再仕官することができました。
より良い待遇を求め、自ら他の大名家に仕えることも多かったです。
しかし、江戸時代になって太平の世になると、家臣の数が多すぎて新しく召し抱えることはほとんどなくなりました。
再仕官することができない浪人の数が増え、社会問題になったこともあります。
その多くは借家住まいで、貧しい暮らしをしていました。
その結果、犯罪に走った人もいたようです。
現在、浪人は試験などで不合格になり次の試験に備えている人を指す場合もあります。
就職浪人といった言葉も生まれました。
野武士と浪人の違い
野武士は山野に暮らす武装集団で、農民出身の者がほとんどです。
浪人は仕官する主家を失った武士のことをいいます。
そのため野武士と浪人では、身分に違いがあります。
まとめ
野武士は農民が武装した集団で、山や野で暮らしていました。
浪人は仕官する主家を失った武士です。