「散在」と「点在」はどちらも同じような状況を表す時に使われる言葉です。
それぞれどのような状況を表していて何が違うのでしょうか。
今回は、「散在」と「点在」の違いを解説します。
「散在」とは?
「散在」とは、「ひとつの場所にかたまらず広い範囲に散らばって存在しているさま」を指す言葉です。
「散在」の使い方
一定の範囲に複数のものが存在している状況において存在するもの同士がくっついたり固まったりしておらずあちこちに分散するように存在しているさまを表します。
ものの数に対して範囲が広く、存在するもの同士の距離がそれなりに離れている状況を表す時に用いられる表現です。
存在同士がまとまっていないことを強調する表現なので1つや2つにまとまっている場合は使えません。
まとまりや偏りがあっても3つ以上の複数個で互いの距離がそれなりに離れて広がっていれば「散在」に該当します。
「点在」とは?
「点在」とは、「あちこちに散らばり点々と存在しているさま」を指す言葉です。
「点在」の使い方
範囲内にまばらに存在している様子を表します。
数える対象となるものの数自体が少なくそれぞれがほとんどまとまることなく独立してあちこちに存在している状態に対して用いられる表現です。
「散在」と「点在」の違い
「散在」と「点在」の違いは「数量」です。
一定の範囲に分散するように広がって存在している様子が「散在」、一定の範囲に点々と広がって存在しているのが「点在」であり表している状況そのものはとてもよく似ています。
一般的に「散在」よりもさらに数量が少ない場合に「点在」という表現が使われます。
「散在」の例文
・『山間に集落が散在している』
・『瀬戸内海には大小合わせて多くの島々が散在している』
「点在」の例文
・『隣が気にならないようにキャンプ場のコテージは点在するように建てられている』
・『市内のあちこちに銅像が点在している』
まとめ
「散在」と「点在」はどちらも散らばって存在している様子を表す言葉ですが数量や広がり具合の違いで区別されます。
厳密な基準で区別される言葉ではありませんが違いを憶えておきましょう。