この記事では、「抄訳」と「完訳」の違いを分かりやすく説明していきます。
「抄訳」とは?
「抄訳」とは他の言語で書かれた書物などの文章から一部を取り出して翻訳することやその翻訳された文章です。
例えばなにかの論文を書くにあたって海外の本から一部引用し意味が通じるように日本語訳することなどが「抄訳」になります。
翻訳する人にとって伝えたい部分だけを抜粋して翻訳することになるので、その文章がどんなシーンを受けて書かれた文章なのか、その文章の後にどんな展開に繋がったのかはわからないことが多いでしょう。
「完訳」とは?
「完訳」とは本や文献などに書かれた全部の文章を翻訳することやその翻訳された文章です。
「完訳」とされているものは元がどれだけページ数の多い本であっても基本的にすべての文章が他の一つの言語に翻訳されています。
例外は翻訳してしまうと意味が通じなくなるような元言語の語感を活かした言葉遊びであったり、細かいニュアンスを伝える言葉がない場合などに原文のまま残すくらいです。
しかしそれも翻訳しておらず原文のままという注釈をした上で残すので、本文はもちろんタイトルや名前まで含めて文字通り全て完璧に翻訳するのが「完訳」と言えます。
「抄訳」と「完訳」の違い
「抄訳」と「完訳」の違いを、分かりやすく解説します。
本や文献の一部だけを抜粋して翻訳したものが「抄訳」で、本や文献を丸ごと全部翻訳したものが「完訳」です。
「抄訳」では訳者が紹介したい部分や伝えたい事が書かれている部分だけ翻訳してその前後は翻訳しません。
反対に「完訳」では伝えたい部分もそうでない部分も含めてタイトルや著者の名前に本文から元の著者のあとがきまで全て翻訳します。
まとめ
「抄訳」と「完訳」の違いは全体に対して一部分だけの翻訳か、それとも全ての文の翻訳かと非常に明確です。
抄という字が長い文の一部を書き出すという意味の文字で、完が欠けたところがないという意味の文字と覚えておけば、「抄訳」と「完訳」の意味を間違えることはなくなるでしょう。