「店屋物」と「出前」の違いとは?分かりやすく解釈

「店屋物」と「出前」の違いとは?違い

この記事では、「店屋物」「出前」の違いを分かりやすく説明していきます。

「店屋物(てんやもの)」とは?

「店屋物」とは、「飲食店で売っている食べ物」や特に「店から取り寄せる食べ物」のことを指す言葉です。

「店屋(てんや)」とは、「商店」、とりわけ「酒や飯などを提供する飲食店」を意味する言葉になります。

「店屋」とは元々「宿駅(交通路の便利な地点に設けられた旅人の宿泊や荷物の運搬に要する人馬を継立てる設備)に併設された物を売る店」を指し、「飲食店」に限定された言葉ではありませんでした。

そして、近世になると居酒屋などの飲食店を「店屋」、そしてその「店屋」で作られた食べ物などの商品を「店屋物」と呼ぶようになります。

ちなみに、当時は「女郎」の意味を指しても「店屋物」という表現が用いられていたそうです。

やがて、「店屋物(食べ物)を取り寄せること」という意味で「店屋物を取る」という言い回しが用いられるようになり、「店屋物」「店から取り寄せる食べ物」という意味を持つようになったのです。


「出前(でまえ)」とは?

「出前」は主に「注文を受けて料理を配達すること」「出前で配達される料理」「出前を届ける人」=「出前持(でまえもち)」を意味する言葉です。

そのほかに、「講習や講演などの依頼を受けて、出向くこと」「契約期間を終えた遊女が遊郭を出る前」「遊郭に住む童女が一人前の遊女として店に出る前」という意味も表します。


「店屋物」と「出前」の違い

「店屋物」「出前」「店から取り寄せる食べ物」=「出前で配達される料理」という意味を含めるという点では同じですが、合わせて含める意味にそれぞれ違いがあります。

「店屋物」「店から取り寄せる食べ物」以外にも「飲食店で売っている食べ物」という意味が含まれています。

一方、「出前」には「出前で配達される料理」のほか、「注文を受けて料理を配達すること」「出前を届ける人」=「出前持(でまえもち)」「講習や講演などの依頼を受けて、出向くこと」「契約期間を終えた遊女が遊郭を出る前」など多くの意味が含む言葉です。

まとめ

「店屋物」とは、「飲食店で売っている食べ物」や特に「店から取り寄せる食べ物」のことを指す言葉です。

「出前」は主に「注文を受けて料理を配達すること」「出前で配達される料理」などを意味する言葉であり、他にも様々な意味を含んでいます。

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