患者の容態を表す言葉として「危篤」と「重篤」があります。
どちらも予断を許さない状態ですが、具体的にはどのような状態の違いがあるのでしょうか。
今回は、「危篤」と「重篤」の違いを解説します。
「危篤」とは?
「危篤」とは、「命の危機が迫っていてほとんど回復の見込みがない状態」を意味する言葉です。
「危篤」の使い方
手を尽くしてもしても回復する可能性がほとんどなく死の直前にある状態を指します。
奇跡的に回復する例もないわけではありませんが、基本的にあとは死を待つだけの状態が「危篤」です。
「危篤」になると医者としてもできることがなくなるため後は死を迎えるのみになります。
近親者を集めて最後の別れを済ませるなど死を受け入れる準備の段階が「危篤」です。
「重篤」とは?
「重篤」とは、「回復の見込みが極めて低く命が危機にある状態」を指す言葉です。
「重篤」の使い方
病気の症状やケガの程度が極めて重く命が失われる可能性が高い状態を表します。
極めて悪い状態ではあるもののすぐに命が失われるわけではありません。
そのまま放置すれば死ぬのは確実だが懸命な治療を施せばわずかに回復の見込みがある状態が「重篤」です。
「危篤」と「重篤」の違い
状態が極めて悪く死が間近に迫っているのが「危篤」、極めて悪い状態で回復の見込みも低く死んでもおかしくないのが「重篤」です。
「危篤」と「重篤」の違いは「回復の見込み」です。
「危篤」は回復の見込みがほぼ無いのに対し、「重篤」はわずかながら回復の見込みがあります。
「危篤」の例文
・『交通事故で危篤状態になる』
・『一時危篤状態になったが奇跡的に持ち直した』
「重篤」の例文
・『風邪をこじらせて重篤になる』
・『手厚い治療の甲斐があって重篤から回復した』
まとめ
「危篤」と「重篤」はどちらも予断を許さない極めて深刻な状態ですが回復見込みの有無によって区別されます。
似ているようで全く意味の違う言葉なので間違えないようにしてください。