「対応」と「応対」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「対応」と「応対」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「応対」「対応」の違いを分かりやすく説明していきます。

「応対」と「対応」の違い

「応対」「対応」の違いについて紹介します。


「応対」と「対応」の使い方の違い

「応対」は、「人を相手にやり取りすること」に対して使われる言葉です。

相手とコミュニケーションを取ること自体に対して使われます。

「対応」は、「ものごとの処理や解決の仕方」に対して使われる言葉です。

相手の要望に沿う様に何らかの行動と取る時に使われます。


「応対」と「対応」の英語表記の違い

「応対」は、その時の状況に応じて英語の表現が変わります。

例えば「電話で相手に応対する場合」には「answer the phone」を使います。

“They have a good manner for answering the phone.”
(あの会社は電話応対の仕方が大変良い)
また、「店頭で接客応対する場合」には「service」を使います。

“They provide a good service to the guests.”
(彼等は来客に対して良い接客応対をしている)
「対応」には幾つかのよく使われる英語表現があります。

1つ目は「deal with」「扱う」「対処する」「何とかする」という意味があります。

“I’ll deal with it as soon as possible.”
(私が出来る限り早く対応します)
2つ目は「handle」で、「処理する」「取り扱う」「担当する」という意味です。

“She can handle financial affairs.”
(財務的なことは彼女が対応できます)
3つ目は「take care」で、「処理する」という意味があります。

“I’ll take care of this.”
(私が対応します)
日本では「面倒をみる」「心配する」と覚えさせられますが、「対応する」という意味もあると覚えておきましょう。

「応対」の意味

「応対」「おうたい」と読みます。

意味は「相手になり受け答えすること」です。

「応対」は、対象となる相手が「人」に限定される言葉です。

相手からの呼びかけに対して言葉を返すことに使われ、何を言ったかではなくやり取りをすること自体を表す言葉です。

例えば、ビジネスで会社に来客があった場合、受付が相手の名前や誰に用事があるのかなどを訊くのは形式的ななものであり、「応対」になります。

後に紹介しますが、その後担当者が来客に用件を聞いて意向に沿う様にすることを「対応」と言うのです。

「応対」の使い方

「応対」は、人に対して受け答えややり取りをすること自体に使われる言葉です。

特に接客業で使われ、来客や顧客とコミュニケーションを取ることに使われます。

あくまで相手とやり取りすることであり、相手からの要望を受けて何らかの行動を起こすことではありません。

基本的に「応対する・した」と助動詞を伴って使われます。

また、「電話応対」「メール応対」など、人と接する方法と続けて使われることもあります。

「応対」を使った例文

・『あの会社は受付の来客への応対が素晴らしい』

・『電話応対が苦手なのでしっかり研修を受けたい』

・『スタッフの応対次第でお店のイメージが悪くなることもある』

・『カスタマーセンターに電話したが、応対が悪かった』

・『部長が忙しいので代わりに応対して欲しいと言われた』

「応対」の類語

「接客(せっきゃく)」
顧客と直接商談などのやり取りをすることです。

「受け答え(うけこたえ)」
相手の質問に答えたり、適度なタイミングで相槌を打って会話することです。

「応対」の対義語

「応対」に対義語はありません。

近い意味の言葉に「無視」があり、「知らないフリして全く関わらないこと」という意味です。

「対応」の意味

「対応」には以下の5つの意味があります。

1つ目は「同種の2つのものが向かい合っている様子」という意味です。

2つ目は「あるものごとが、全く違うものごとに相対する関係にあること」という意味です。

3つ目は「2つのものが釣り合っていること」という意味です。

4つ目は「周囲の状況に合わせて行動すること」という意味です。

「応対」に対してはこちらの意味が使われ、その場に応じて適切な行動を取ることを表します。

5つ目は「2つの集合の間に、共通する規則性があること」という意味です。

上記に共通するのは「何かに対して明確に合わせるものがあること」という点で、対象となるものは人ではなく、ものごとにも使われます。

「対応」の使い方

「対応」は、人からの依頼、要求に対して行動することだけではなく、問題や課題などを解決する時にも使われます。

基本的に「対応する・した」と助動詞を伴って使われますが、「クレーム対応」「顧客対応」など、対処する対象を付けて複合語としても使われます。

例えば「電話応対」と言えば、「電話で相手とやり取りをすること」自体を表しますが、「電話対応」と言えば「電話で顧客の質問に答えたり、問題解決をサポートすること」を表すのです。

「対応」を使った例文

・『彼女のクレーム対応は迅速で見事だ』

・『コロナ禍への政府の対応が遅すぎる』

・『顧客への対応が悪いと企業のイメージを損ねてしまう』

・『万が一問題が発生した時にどんな対応をしてくれるのか』

・『一日中顧客の対応に追われた』

「対応」の類語

「措置(そち)」
情況に応じて必要な行動をすることです。

「対処(たいしょ)」
あるものごとに合わせて適切に行動することです。

「対応」の対義語

「対応」に対義語はありません。

似たような意味に「非対応(ひたいおう)」があり、「今も対応しておらず、今後も対応しないこと」になります。

まとめ

今回は「応対」「対応」について紹介しました。

「応対」「相手に受け答えすること」「対応」「相手の要求に見合う行動をすること」と覚えておきましょう。