「隠喩」「暗喩」「比喩」という言葉をご存じでしょうか。
物の状態や人のことを何かに例える表現方法を表す言葉ですが、これら三つの言葉には違いがあるのでしょうか。
この記事では、「隠喩」と「暗喩」と「比喩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「隠喩」【いんゆ】とは?
「隠喩」とは、あるものを別なものに例える時に使われる表現方法のことを言います。
言葉の中で使われている「喩」の字は、事例や言いぐさやたとえという意味を持つ文字で、その一文字で何かを例えることを指している漢字です。
ですから「隠喩」とは、「たとえが隠されている」という意味の言葉になります。
「隠喩」【いんゆ】の言葉の使い方
一般的に何かに例える時には「まるで〇〇のようだ」「〇〇みたいだ」などといった使い方をすることが多いですが、「隠喩」はそういった表現が隠されている例えの形になります。
「〇〇は、〇〇だ」と言い切ることによって、一見例えていないように見えて実は例えている、より読み手聞き手を話に注目させたい時に使う方法です。
「彼女の歩く姿は百合の花のようだ」ではなく「彼女の歩く姿は百合の花だ」となるわけです。
「暗喩」【あんゆ】とは?
「暗喩」は「隠喩」と同じ意味で使われており、「喩」(たとえ)が暗に示されているという作りを持った言葉です。
「〇〇のようだ」「〇〇みたいだ」という表現で例える方法を「直喩」と言いますが、別に「明喩」と言われたりもします。
「明喩」に対する言葉として「暗喩」ということでもあるわけです。
「暗喩」【あんゆ】の言葉の使い方
「隠喩」同様言い切る形をとることによって、相手を注目させたい時に使う方法です。
ですが、例えていることをわかりやすく表現している方法ではない為、例えるものによっては誤解を生んでしまったり、相手に勘違いさせてしまったりしてしまうので注意が必要です。
「比喩」【ひゆ】とは?
「比喩」とは、物や人のことを説明する際にそれと似ているものを借りてきて表現すること、たとえることです。
「隠喩」「暗喩」については述べてきましたが、他にも何かに例える方法として「〇〇のようだ」とわかりやすく例える「直喩」、例えるものだけを明示して例えられたものを想像させる「諷喩」などというものもあります。
「比喩」【ひゆ】の言葉の使い方
上で述べた他にも例える表現方法はいくつかありますが、それらをひっくるめて全て「比喩」ということです。
「比喩」は、細かい方法の違いはどうであれ、別なものに例えること自体を意味した言葉なのです。
「隠喩」と「暗喩」と「比喩」の違い
「隠喩」も「暗喩」も同じ意味を持つ言葉で、「〇〇は〇〇だ」と言い切る形で例えを表現した方法です。
話に注目させる効果はありますが「暗喩」「隠喩」ともに、時として誤解を生みやすい表現でもあるため注意が必要です。
「比喩」は、例えること自体を意味した言葉です。
「隠喩」も「暗喩」も、「比喩」の中に含まれるものです。
まとめ
「隠喩」と「暗喩」と「比喩」の違いについて述べましたが理解して頂けましたでしょうか。
この記事がみなさんのお役に立てていたら幸いです。