「マガキガイ」と「イモガイ」はいずれも「貝」に関する言葉ですが、意味が異なるため注意が必要です。
この記事では、「マガキガイ」と「イモガイ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「マガキガイ」とは?
「マガキガイ」は「ソデボラ科(文献によってはスイショウガイ科)に属する巻貝」を意味し、漢字では「籬貝」と記されます。
殻の表面についた模様が、竹などで粗く編んだ「籬(まがき)」に似ていることが名前の由来になったそうです。
「イモガイ」とは?
「イモガイ」は「イモガイ科に属する巻貝の総称」を意味する言葉で、形がサトイモに似ていることからその名が付いたといわれています。
毒腺のある矢のような舌歯を持ち、ゴカイや魚などを刺して食する性質があります。
「マガキガイ」と「イモガイ」の違い
「マガキガイ」も「イモガイ」も「巻貝」である点は共通していますが、次のような違いがあります。
「マガキガイ」は「ソデボラ科あるいはスイショウガイ科に属する巻貝」を意味し、高さは6cm程度で殻表に籬のような模様が入っているのが特徴です。
分布エリアは房総半島より南の海、太平洋の西側やインド洋で、潮間帯より水深 20m程度の岩礫の底に生息しています。
「マガキガイ」は食用にされることも多く、「塩ゆで」や「酒蒸し」などのほか「かき揚げやパスタなどの具材」に使われることもあります。
一方、「イモガイ」は「イモガイ科に分類される巻貝の総称」を意味し、高さは8cm程度で、殻表の模様は種類によって異なります。
熱帯地方の潮間帯や浅海の岩礁などに生息していることが多く、毒腺のある舌歯を使ってゴカイや魚類を捕食するのが特徴的です。
「イモガイ」は「マガキガイ」と外見がよく似ているため、両者を混同ないよう注意喚起されています。
特に「アンボイナガイ」や「タガヤサンミナシガイ」は毒性が強く、刺されると人間でも死亡する危険性が高いため注意が必要です。
「マガキガイ」には「殻の下の部分に『ストロンボイドノッチ』と呼ばれる切れ込みがある」ため、この部分を確かめることが双方を区別する方法といわれています。
まとめ
「マガキガイ」は「ソデボラ科あるいはスイショウガイ科に属する巻貝」を示し、「イモガイ」は「イモガイ科に分類される巻貝の総称」を示します。
両者は外見が似ていますが、「イモガイ」には強い毒性があるため混同しないようくれぐれも注意しましょう。
ぜひ海の生き物の違いを知る参考にしてください。