この記事では、「コケリンドウ」と「ハルリンドウ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「コケリンドウ」とは?
学名の「Gentiana squarrosa」とも呼ばれ、日本の本州から九州、もしくは東アジアの温帯地域に広く分布する植物を意味する言葉です。
「コケリンドウ」は、越年草で、高さは2〜10センチメートルと非常に小型だと言えます。
茎はよく分枝し、花期には大きな根生葉を持ちます。
葉は卵形で先が尖り、基部は柄がなく短い鞘となっています。
3〜5月にかけて、茎の先に淡紫色の花を上向きに開きます。
「ハルリンドウ」とは?
学名の「Gentiana thunbergii」としても知られ、春に咲く小柄なリンドウ類を意味する言葉です。
本州、四国、九州の日当たりの良いやや湿った山野や湿地に生え、群生することが多いと言えます。
根本からロゼット状の根生葉を地表に広げ、葉は5mm〜1cmの披針形です。
花期は3〜5月で、花茎を根出葉の中から抽苔にし、高さは10cmほどになり、先端に紫色の花をつけます。
花冠は長さ2〜3cmの漏斗状で、朝日を受けると開花し、夕方には閉じる特徴があります。
「コケリンドウ」と「ハルリンドウ」の違い
「コケリンドウ」と「ハルリンドウ」の違いを、分かりやすく解説します。
「コケリンドウ」と「ハルリンドウ」は、見た目が似ているものの、いくつかの点で異なります。
「コケリンドウ」は、一年草で、日当たりの良い草地に生え、花期は3月から6月です。
小さなロゼット状の根生葉を持ち、開花期には枯れます。
茎は斜上し、分枝が多く、全体にパピラが密に生えています。
花は淡青色で、筒形から漏斗形であり、花冠の喉部には薄い斑点があります。
その一方で、「ハルリンドウ」は、二年草で、湿った場所に生えることが多く、全体的にやや大きめの植物です。
茎は緑色で、花期には根生葉が枯れますが、越年した根生葉は霜などの影響で紫褐色を帯びることがあります。
花は青紫色で、鮮やかな斑紋が筋状になることが多く、花冠は5裂しますが、副花冠があるため、10裂しているように見えます。
まとめ
「コケリンドウ」と「ハルリンドウ」は、それぞれ独自の特徴を持ち、同じリンドウ科であっても異なる環境に適応していると言えるでしょう。